はじめに
時系列分析は、時間の経過に伴うデータの変化を解析し、将来の動向を予測するための手法です。
機械学習を活用することで、時系列データの予測精度をさらに高めることができます。
本記事では、時系列分析における機械学習の役割と、重要な「特徴量」の選び方について解説します。
具体的な特徴量の例を9個紹介し、実践的なアプローチを提案します。
時系列分析とは?
時系列分析は、特定の時間間隔で収集されたデータを解析する手法です。
時系列で並んだデータは大きく分けて3つの成分を持ちます。
特徴量とは?
特徴量(feature)は、機械学習モデルが学習するための入力データのことです。
時系列データにおける特徴量を工夫することで、モデルの予測性能を大幅に向上させることができます。
各特徴量は、トレンド・周期性・ノイズ系に分けられます。
時系列分析と機械学習で考えられる特徴量
時刻特徴量
年、月、日、曜日、時間などの時間に関する情報。
これにより、季節性や特定の時間帯の影響を捉えることができます。
周期性を考慮するためです。
ラグ特徴量
過去のデータポイント(例えば、1日前、1週間前など)をそのまま特徴量として使用します。
自己相関を捉えるのに有効です。
移動平均
一定期間の平均値を計算し、短期的な変動を平滑化して長期的なトレンドを捉えやすくします。
差分
直前のデータポイントとの差を取ることで、トレンドの変化を強調します。
データの非定常性を扱う際に有用です。
累積和
時系列データの累積値を計算し、累積的な影響を捉えます。
累積効果を理解するために使用します。
広く言えばトレンドを考慮するためです。
統計量
過去一定期間のデータの最大値、最小値、平均値、標準偏差などの統計量を特徴量として使用します。
エキスポネンシャル平滑化
指数平滑化により、直近のデータにより大きな重みを与えて平滑化します。短期的な変動を捉えるのに役立ちます。
テクニカル分析に詳しい方ならばEMAと言った方がわかりやすいかもしれません。
カテゴリカル特徴量
特定のイベントや祝日などの日付に基づく特徴量を追加します。特定の日の影響を捉えることができます。
外部データの統合
天気情報、経済指標、ソーシャルメディアのトレンドなど、時系列データ以外の外部データを統合して特徴量とします。
重要人物などの発言や大きなニュースによって価格変動が起こることを考慮するためです。
結論
時系列分析と機械学習の組み合わせにおいて、適切な特徴量の選択はモデルの性能向上に直結します。
上記の特徴量を活用し、データの特性に応じたモデルを構築することで、予測精度を大幅に向上させることができます。
まとめ
時系列分析と機械学習における特徴量の選び方について理解することは、効果的なデータ解析の鍵です。
具体的な特徴量の例を参考に、自身のデータセットに応じた特徴量を工夫してみてください。
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